7年目のまとめ。其の弐

*7年目のまとめ。其の壱はこちらです

 

 

はい、あまねですよ。続きですよ。

 

さっきからおはぎを食いながら書いています。

おはぎは甘いからコーヒーだろ、と思いながらコーヒーも飲んでいます。

もうスイーツなのか昼ご飯なのか分からんくなってます。

 

仙台を出て初めておはぎを作りました。

もち米の炊ける匂いを嗅いだ時、実家や子供の頃を思い出しました。

作ったのは昨日ですけど、何か意味があったのかと思ってしまうくらい、まざまざと思いだします。

 

鼻は実は空洞で、香りは鼻から入って脳にダイレクトに伝わります。

刺激されたのかたまたまか、

今日は起きてからとても心臓が痛いのです。

 

痛すぎて今も前かがみになって書いています。

全く困ったものです。

そんなカラクリを分かっていても、今日は何かしらの影響があるのです。

壱はただ並べただけになってしまいました。

 

で、弐では良くされる質問をご紹介しようかと思います。

**質問と小話。**

震災の後2か月たらずで私は山梨に引っ越しました。

山梨では被災者が珍しかったのか、次々に質問が飛んできます。

 

①被災者じゃないってこと?

移住後webデザインのスクールに通った時のこと。

自己紹介したら震災による移住者であることに驚かれました。

 

「津波大変だったわね」

「いえ私の家は山のほうだったので津波の被害はないです」

「じゃあ被災者じゃないってこと?」

たったこれだけなんですけど、これは傷つきますよ。

 

この言葉の主は還暦を過ぎた女性の方でしたが、

年齢や性別じゃないんだな、

自分の知っている世界って実はすごく狭いんだなってことに気付きました。

 

念のために書いておくと、宮城県は震源地ですよ。

それで今もずっと感じているのは

東北大震災=津波=原発=福島

のようなことです。

 

被災地ってすごく広いんですよ。関東も被災地です。

北関東なんて、ほんとに大変だったと思います。

でも東北じゃないから自治体から支援を受けられないので、

液状化が起きた地域は本当に大変。

 

支援を受けたから、テレビで見たから、それで被災者や被災地が決まるわけでもないんですけど、

報道の影響がすごすぎてそう感じてしまいますよね。

仕方のないことですけど、この違和感はずっと続くんでしょうね。

 

私は被災者だけど、福島県人でも津波被害者でも原発区域に住んでいたこともありません。

②え、津波知らなかったんだ?

 

医療法人で震災時の歯科医師の活動を発表した時の話です。

ラフな発表なのでプレゼンスライドを見せながら質問に答えていくのですが、

三宅歯科医師のレポートの話題になった時のこと

 

「逃げながら人がずぶ濡れになっているのを見た。この言葉で三宅歯科医師は津波が来たことを知ったんです」

と言った時に、

「え?沿岸部に住んでいるのにどうして津波が来たの知らないの?」

「え、お前知らなかったの?」

という質問がありました。

 

これは普通の事だと思っていたのですが、

海がないからなのか、経験がないからなのか、

理解できなかったようです。

 

要は、世界は思っているよりずっと狭いということです。

こんなに世界中の人が東日本大震災のことで心を痛めて支援してくれるのは、

それを直接見たからじゃないですよね。

 

報道のおかげであり、様々な影響によるものです。

報道されていることが大変刺激的だったので、

それを見たことで直接見たような気持ちになったのかもしれません。

 

報道カメラの視点は、最初は神の視点でした。

ヘリコプターだったからですね。

だからどこまで津波被害があるのか一目で分かりますし、

いまどこまで波が来ているのかすぐに分かります。

 

でも実際にその場にいると、海に波の様子を見に行かないことには

津波が来てるのかどうかなんて分かりませんよ。

今これを読んでいるあなた、隣の部屋で誰か死んでいても分かりませんでしょ。

 

そういうことです。

私だって山の別荘地の住宅街でカーナビのテレビを見ていたから

ミヤネ屋で津波の映像を流していたから、

ああ、これは大地震で今大きな津波が来てるんだって知りました。

 

ネットもテレビもラジオも何でもある今の世の中ですけど

それは自分の力でもないんですよね。

情報遮断状態になって分かりました。

③津波来てるのに逃げないとか、ワケわからん。

 

これは良くネットで書かれている話です。

「東日本大震災って良く分からん。津波が来てるのに逃げないとか、なんなんだ」

②から続いているような内容ですね。

 

うーんこれはまあ分かります。

結局のところ世界は本当は狭いということなんですけども、

逃げないんじゃないんですよ、津波を知らないわけでもない。

 

想像以上だったんです。

何十メートルの津波が来るって、誰が思うの??

海岸の様子を見に行けるような余裕のある揺れではなかったのです。

 

ちなみに知らない人が多いのであげときます。

津波から身を守るために知っておきたい9つの知識

http://netgeek.biz/archives/87759

 

この中に

これがあります。

なるほどなと思いました。

 

サーファーが乗っかるイイ波と津波の違いです。

津波はビルの高さの水がずずーんと迫ってきます。

さらにその中にはすべての物を含んでいます。

 

これが「黒い水が来る」というやつですね。

私は見ていませんし、家が飲まれるようなことはありませんでした。

だから私も知らなかったのです。

洪水とも違う津波ってものです。

 

ついでに。

東北学院大学が公表している津波の大きさ一覧も見てみてね。

http://www.tohoku-gakuin.ac.jp/about/sinsai/record/chap_7/chap07_07.html

④みんな笑顔ね!

 

被災者の私を物珍しそうに眺めて言うのは、

「でもテレビとか見ると、みんな素敵な笑顔ね、元気をもらうわね」

これ。

 

んーーそうですかいのう??

神の視点で見ていると、絶望的な世紀末感があったのでしょう。

物は何もなくなっていくし、

人が次々に水に飲み込まれて見えなくなっていくし、

街によっては火の海になってるし。

 

でもそれっていい意味で、避難者には見えないんです。

知らなくて良かったことです。

それに生きるために避難しているので、そりゃ笑うことくらいありますよ。

 

笑うこともあるでしょ。

ずっと不幸そうな顔して泣いてることはないでしょう。

今まで自分にとって一番悲しかったことってあるでしょ。

ちょっと思い出してみて。今。

それがあっても今笑ってるじゃん??

 

そんなわけですね。

こんなことを言う人は「報道の手のひら」にいるんです。

「被災者の笑顔がまぶしいぜ」みたいな番組を作ったから、

ただそれを見ただけさ。

 

実際これ言われると、

「はぁ・・・・??」

って良く分からない感覚になります。

⑤いつまでも被災者って言うな

 

これも良くあるやつです。

ネット上にはこういう声たくさんあるんですよね。

 

「いつまでも震災って言ってるな」

「いつまでも支援を募るな」

「〇〇億円も使ってるだろ?」

 

これはまあ、分かります。

まず現状と感情を切り離さなくちゃ、これは分かりません。

 

被災者なら「忘れないで欲しい」という感情があります。

これはいつか絶対にこの出来事が歴史になってただの言葉になってしまうから。

だから支援に力を入れたり私のように発信に力を入れたりします。

 

それとは別に、現状は実はそんなに復興できていないんですね。

私はNHK大好きっこなので、ぜひこちらのwebニュースをみてくださいな。

 

震災7年 仮設住宅などで孤独死は最多の63人

 

県内の防潮堤完成3割にとどまる

さっぱりね、思った以上にできてない。

だから呼びかけているんです。

それだけですよね。

 

いつまでも可愛そうって思われたいから、という被災者は少ないですよ。

でも支援がなければその土地は立ち直れない。

逆に、キレイさっぱり復興していたら支援はいらないですよね。

だって間に合ってるんだから。

 

一緒くたにされちゃあ敵いませんよ。

これ書いてるさっきね、2時46分を迎えました。

神棚に向かって手を合わせました。

おはぎはまた残ってしまいました。

夜にでも食らいます。

 

さて、そろそろこの話も終わりドキです。

この後仕事しなくちゃなりません。

最後にこちらをおススメしておきます。

 

津波のまち 田老の記憶

このサイトをおススメしたいと思います。

まず体験できるのがいい。私も見ました。

私だってこんな地域初めてですよ。

やっぱり、一度見てみるに限りますよ。

 

防災検定トップページ

これ、テレビでやってますでしょ。

けっこう難しいのです!驚きましたです。

でも知ってて損はまったくないです。

私は知らな過ぎて、何回やったらクリアできるのか・・・

 

そんなところで、終わります。

長くなっちゃった。読んでいただいてありがとうございました。